2012/ 3/30 更新

平成23年度 家畜輸出入に関するセミナー

 平成24年3月9日(金)、「平成23年度 家畜輸出入に関するセミナー」を開催しました。


開催にあたって
  はじめに、昨年の東日本大震災で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げるとともに、 被災地の一日も早い復興を心から願っております。
  景気低迷による個人消費の落ち込みが続く中で、一昨年の口蹄疫の発生に続き、昨年はユッケによる食中毒事件、 放射性セシウム汚染問題などが相次ぎ、畜産を巡る情勢は一段と厳しさを増しております。一方、家畜衛生面では、 国内における口蹄疫や高病原性鳥インフルエンザの発生を踏まえて、「発生の予防」、「早期の発見・通報」、 「迅速・的確な初動対応」に重点を置いて防疫対応を強化する観点から、昨年4月に家畜伝染病予防法が改正され、 10月1日から完全実施されました。近年、近隣のアジア諸国では口蹄疫や高病原性鳥インフルエンザが継続して発生しており、 これらの伝染病の我が国への侵入を阻止するため、水際での対策とともに農場段階における対策がなお一層重要となっています。
  当協議会では、会員の畜産及び家畜衛生・公衆衛生に対する知識の向上と家畜の円滑な輸出入を図るとともに、 会員以外の皆様に対するこれらの普及啓発のため、セミナーを開催してきています。セミナーでは、これまで、BSE研究、 家畜のサルモネラ対策、新システムによる家畜の輸出入手続き、穀物飼料の需給動向、動物インフルエンザの防疫、 アニマルウェルフェア、TPPなど、その時々の話題となっているテーマを取り上げて参りました。 今回は、改正後の家畜伝染病予防法において家畜の所有者が遵守すべき「飼養衛生管理基準」、畜産経営上の課題である 「畜産臭気対策」を主なテーマとして、2名の講師に講演をお願いしています。
  この度のセミナーが当協議会会員をはじめ、関係者の皆様の業務推進の一助となることを願っております。
平成24年3月   社団法人 日本家畜輸出入協議会
理事長 中塚 眞五

農林水産省消費・安全局 動物衛生課 国内防疫調整官 伏見様
農林水産省消費・安全局
動物衛生課 国内防疫調整官
伏見啓二氏

畜産環境整備機構 畜産環境技術研究所 主任研究員 山本様
(財)畜産環境整備機構
畜産環境技術研究所
主任研究員 山本朱美氏

伏見 氏

「家畜伝染病予防法の改正と新しい飼養衛生管理基準」

農林水産省消費・安全局動物衛生課 国内防疫調整官 伏見啓二氏

1.国と都道府県等との役割分担のあり方
・特定家畜伝染病防疫指針
2.防疫指針のあり方
・農林水産大臣は、防疫指針を三年毎に再検討
3.我が国へのウイルス侵入防止措置のあり方
・入国者に対する水際検疫の強化(各言語の質問票、消毒マット、アナウンス、検疫探知犬、港での車両消毒等)
4.畜産農家のウイルス侵入防止措置のあり方
・侵入防止は生産者の取り組みも重要
・飼養衛生管理基準の見直し
・衛生管理区域設定、病原体の持ち込み防止
・野生動物からの病原体の感染防止
5.発生時に備えた準備のあり方
・埋却等の準備
6.患畜の早期の発見・通報のあり方
・特定症状の例(口蹄疫に感染した動物の写真)
7.国の財政支援のあり方
・患畜/疑似患畜のための特別手当金、移動制限による売上減少等の補てん、都道府県の防疫措置に対する支援
8.消毒設備の設置場所を通行する車両の消毒
・都道府県知事による消毒設備の設置、緊急の通行制限/遮断の適用対象
9.患畜及び疑似患畜以外の家畜の殺処分等
・口蹄疫の急速かつ広範囲のまん延を防止するための殺処分、それに対する国の補償
10.防疫の観点からの畜産のあり方
・飼養衛生管理基準に、防疫の観点からのルールを定める
・都道府県知事は、衛生管理が適正に行なわれるよう指導等を与える
11.その他
JLTA 事務局から
農林水産省は、 同省WEBサイト > 消費・安全 >「家畜の病気を防ぐために」 にて、家畜衛生に関する各種情報を公開しています。 また、動物検疫所は 動物検疫所WEBサイト にて、家畜伝染病予防法等の各種情報を公開しています。

山本 氏

「畜産臭気問題の現状と対策」

財団法人畜産環境整備機構 畜産環境技術研究所 主任研究員 山本朱美氏

【現状】
●畜産経営に伴う悪臭苦情の現状
●悪臭防止法の規制基準
・畜産では、主に敷地境界線上の規制規準(1号規準)が該当
●6段階の臭気強度
・無臭〜強烈なにおい。実際の規制は、臭気強度2.5〜3.5の幅に対応
●臭気強度と各物質(アンモニアや硫化水素等)の濃度との関係
●苦情発生から立ち入り検査・解決までの手順
・立ち入り検査/悪臭の測定 → 改善勧告 → 改善命令 → 罰則
●ウェーバー・フェヒナーの法則、臭気強度と臭気指数との関係
●飼養規模拡大と混住化に伴う苦情の特徴
・事例:農場内の施設配置の問題
・アンケート結果:飼養規模と苦情の有無(養豚農家、酪農家)
【対策】
●苦情があった際に役に立った対策
・アンケート結果(養豚農家、酪農家)
●飼養管理の適正化
・豚の排泄習性を利用(事例:導入時に排泄場所を認識させる工夫)
●敷料の確保
・敷料利用による堆肥化時の窒素消失量の減少、豚舎での敷料の利用
●スクレーパーの適切な稼働、固液分離の良いバーンクリーナー
・事例:固液分離機の導入(酪農)、固液分離の良い酪農経営の臭気
●水張り豚舎(事例)、フラッシング豚舎(事例)
●ハニカム脱臭装置
・その施設構造
●除塵布や除塵装置の設置、囲い壁の設置、植栽の利用(養豚農家と酪農家の事例)
●善意の臭気モニター
・事例:良好な近所付き合いにより近所の方が教えてくれる → 苦情に発展する前に対処できる
・事例:臭気発生の日時を教えてくれる → 農場作業との関連性に役立てられる
●公的機関への相談
・周辺住民からの苦情発生〜解決策の提示・提案を受ける
●畜舎の清掃回数と苦情の有無
・アンケート結果(養豚農家、酪農家)
●飼料面からの臭気低減の提案
・尿中窒素排泄量低減によるアンモニア揮散量低減技術の開発
JLTA 事務局から
財団法人畜産環境整備機構 畜産環境技術研究所は、畜産環境技術研究所WEBサイト にて、各種情報を公開しています。