2015/ 5/14 更新

平成26年度 家畜輸出入に関するセミナー

平成27年3月20日(金)、「平成26年度 家畜輸出入に関するセミナー」 を開催しました。
テーマは 「動物検疫−畜産の振興と公衆衛生の向上のために」 です。


開催にあたって
  我が国の畜産を取り巻く情勢は、農戸数及び家畜飼養頭数の減少といった生産基盤の弱体化に加えて、 配合飼料価格の高止まりや経済連携等の進展など、厳しい状況が続いています。こうした中で畜産物価格は総じて高い水準で推移していますが、 これは純粋の需要増加によるものではなく、色々な原因による供給上の制約から来ていると言われています。 特に繁殖用家畜の供給不足の影響で生体家畜の取引価格は高値が続いており、 牛を中心に国内産から輸入家畜への導入変更を視野に入れて検討する農家が顕在化してきているように感じます。当協議会会員の多くは、 畜産農家に健全な輸入生体家畜を供給する使命を担っていますが、このような顧客ニーズに的確に応えるため、引き続き、 畜産物需給や消費の動向、海外の供給情勢、為替動向、日豪EPA交渉の影響やTPP交渉の動向等を注視して参りたいと考えています。
  畜産物供給に大きな影響を及ぼす要因の一つに家畜の疾病があります。このところ豚肉価格が高水準で推移していますが、 一昨年から流行している豚流行性下痢(PED)による出荷頭数の減少が価格高に影響していると言われていれます。また、 昨年末以降相次いで発生した高病原性鳥インフルエンザは、いずれも初発生に留まっていますが、 養鶏業界では引き続き監視態勢の強化が継続されています。一方、中国、韓国、 台湾等の近隣諸国では高病原性鳥インフルエンザに加えて口蹄疫が継続的に発生しています。さらに、 ロシア及びその周辺国ではアフリカ豚コレラが流行しています。人や物の移動が一層増加している今日の状況から、 これらの伝染病が我が国へ侵入するリスクは一段と高まっています。これを阻止するため、 動物検疫所による徹底した水際対策が進められるとともに、国内防疫としては、 飼養衛生管理基準の遵守や防疫演習等による発生予防が図られています。
  当協議会では、会員並びに会員以外の皆様に対し、畜産に関連した事柄や家畜の輸出入に深くかかわっている「家畜衛生・公衆衛生」 に関する事項のほか、その時々に話題となっている関連情報を提供する場の一つとして、毎年、セミナーを開催しております。本日は、 家畜の輸出入に最も関係の深い動物検疫に的を絞り、「動物検疫−畜産の振興と公衆衛生の向上のために」をテーマとして、牛、馬、 豚の検疫の現状について3名の講師に講演をお願いしています。 本日のセミナーが関係者の皆様の知識の向上と業務推進の一助となるよう願っております。
平成27年3月   一般社団法人 日本家畜輸出入協議会
理事長 野澤 毅一郎


森脇 氏

「豚の輸入検疫状況」

動物検疫所 精密検査部長 森脇 俊英 氏

1 主な家畜の輸入実績
牛・馬・豚・初生ひな
2 家畜衛生条件とは
(米国から日本向けに輸出される豚の家畜衛生条件)
3 各疾病の原因、疫学、臨床症状、発生状況
口蹄疫、アフリカ豚コレラ、豚コレラ、水胞性口炎、オーエスキー病、豚流行性下痢(PED)
4 豚の係留期間中の通常検査
5 輸入検査で摘発された豚疾病
6 国内における豚流行性下痢PED

中尾 氏

「馬の輸入検疫状況」

動物検疫所 精密検査部 微生物検査課長 中尾 哲也 氏

1 家畜衛生条件
(出国検疫において実施する検査項目)
2 輸入馬の到着時検査
(家畜が輸入できる空海港、臨機検査から係留施設への収容)
3 馬の係留期間中の通常検査
(輸入検査で実施する主な精密検査)
4 馬の輸出入頭数の推移
(用途別、国別)
5 輸入馬の疾病摘発状況
6 各疾病の原因、疫学、臨床症状、検査法
馬伝染性子宮炎(CEM)、馬ウイルス性動脈炎(EVA)、馬インフルエンザ、馬ピロプラズマ病
7 馬ピロプラズマ病抗体検査法の検討

谷 氏

「門司支所における係留検査の現状と課題」

動物検疫所 門司支所 検疫第2課長 谷 義人 氏

1 門司支所管内の各係留施設の概要、収容実績
新門司検疫場、太刀浦検疫場、鹿児島空港出張所
2 門司支所における課題と取り組み
肥育用素牛の損耗防止対策、口蹄疫等防疫マニュアルの作成、鳥インフルエンザ防疫マニュアルの作成、
鳥インフルエンザ防疫演習の実施、採血・採材時の安全対策、動物管理人への実務講習会の開催
3 より効率的・的確な輸入検疫の実施のために