2008/4/15

平成19年度 家畜輸出入に関するセミナー 要旨

 「平成19年度 家畜輸出入に関するセミナー」が、平成20年3月27日(木)13時30分から、森永プラザビル (東京都港区。場所詳細:Yahoo-Map) にて
行なわれました。

家畜衛生をめぐる内外の情勢
農林水産省 消費・安全局 動物衛生課 課長補佐 大友 様
<www.maff.go.jp/syouan/index.html>
大友 様

動物検疫所の次期システムについて


農林水産省 動物検疫所 調査課長 酒井 様
<www.maff.go.jp/aqs>
酒井 様
家畜のサルモネラ症と防除対策
株式会社 科学飼料研究所 技術顧問 佐藤 様
<www.kashiken.co.jp>
佐藤 様



■動物検疫業務及び植物検疫業務(輸出入及び港湾空港手続関係業務)に
  係わる業務・システムの最適化計画について

1.最適化計画に至る経緯

  • 電子政府構築計画
     平成15年7月 各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議決定
  • 輸出入及び港湾・空港手続関係業務の業務・システム最適化計画
     平成17年12月 CIO連絡会議決定
  • 動物検疫業務及び植物検疫業務に係る業務・システムの最適化計画
     平成18年3月 農林水産省 行政情報化推進委員会決定

2.業務/システムの課題

  • 電子申請行うのに必要な通関情報処理システム(NACCS)を利用するための端末機を所有していないため,
    書面による申請を行う利用者が少なくない。
  • 検査対象品目の拡大等による業務量の増大,検査手法の複雑化により,システム間のデータ連携
    及び操作の統一性が充分確保されていないため、非効率な運用となっている。
  • 利用者のニーズの多様化に伴う動物検疫業務の拡大/複雑化に対応するため,防疫官の専門技術の
    維持/向上を図ることが重要となっている。
  • 国民の食に対する関心が高まる中,伝染性疾病の侵入を水際で阻止する重要性について,その目的や
    具体的内容が必ずしも国民一般に周知されていない。
  • 現在、動物検疫所は固有のネットワークを有し,専用端末による利用を行っていることから,システムの
    刷新に合わせ,可能な限りシステムの整理/統合を進める必要がある。

3.最適化の基本理念

  • 業務・システムの課題を踏まえ,業務・システムの最適化に当たっては,費用対効果を充分に考慮した上で
    IT(情報通信技術)を積極的に活用する。
  • 利用者に利便性の高い良質な行政サービスの提供し,より高度かつ効率的な動物検疫業務を実現する。
  • 電子申請の推進
     (次期システムの目標電子申請率:輸入畜産物96%,輸入動物80%,輸入畜産物50%,輸出動物50%)
  • 効率的/効果的な動物検疫業務の遂行
  • 検疫業務に必要な技術、科学的知見、事例等の蓄積、普及及び継承による人材の育成強化
  • 動物検疫業務の信頼性確保
  • システムに係わる経費の削減及び安全性・信頼性の向上・強化

4.最適化の実施及び効果

  • 【実施】
     平成19年度から20年度末までの2か年で実施
  • 【効果】
     年間約1.5億円のシステム運用経費の削減
     年間延べ約2.7万時間分の業務処理時間の短縮

     利用者で年間約4.3万時間に相当する申請手続時間の削減を見込む

5.電子申請の推進

  • 電子化推進による利用者の利便性向上
     インターネットを利用した電子申請を可能とし,24時間365日検査申請の受付を可能とする
  • 新たな輸出電子検査証明書の受け入れ推進

     これにより,年間約11400時間の業務処理時間の短縮を見込む。
     利用者側に年間約43000時間に相当する申請手続時間の削減を見込む。

6.効率的・効果的な動物検疫業務の遂行

  • 申請番号等のバーコード化
  • 検査台帳の電子化
  • データを一元管理するデータベースの構築
  • LGWANを利用した検疫情報を国と都道府県が共有する仕組みを構築

     これらにより,年間約14400時間の業務処理時間の短縮を見込む。

7.動物検疫業務の信頼性確保

  • ホームページ,パンフレット等各種媒体を積極的に活用し,Q&A等の改善・充実を図る。
  • 動物検疫業務において,輸出入検査実績をホームページ上で簡単に検索できる仕組みを構築する。

8.システムにかかる経費の削減及び安全性・信頼性の向上強化

  • システムの再構築によるシステム保守・運用経費削減
     既存資産の再利用,汎用パッケージソフトウェアの活用
     分離調達により,初期構築経費及び運用経費の削減
     専用端末を廃止し,既存LAN端末の活用
     システム運用を可能な限り外部委託
  • 情報セキュリティやシステムの安全性・信頼性の向上・強化
     職員に対するセキュリティに関する教育,啓発
     セキュリティ監査を定期的に実施
     システム企画の支援等を担う外部専門家の積極的な活用

     これらにより,年間約1.5億円のシステム運用経費の削減。
     年間延べ1800時間の業務処理時間の短縮を見込む

■次期システムについて(動物輸入事前届出業務)

1.次期システムの機能

  • ANIPAS(動物検疫検査手続電算処理システム)に動物の輸入届出の届出機能を追加し,
    インターネット接続で簡単に届出を行なうことができるようにする。(※図1)
      ↓
  • 届出情報を利用した申請を行なうことが可能
  • 以前提出した届出を利用して,新たな届出を行なうことが可能
  • ロット番号の払い出し業務についてもシステム化

2.システムの利用方法

  1. 利用申し込み
    ・ユーザー登録を行なう(初回のみ)
    ・会社ごとに1つのユーザー登録を行なう
    ・担当者が代わった場合には,パスワードを変更
  2. 輸入事前届出を行なう
    A. システムへログインし,メニュー画面を開く
    B.「動物輸入事前届出事項登録」を開き,必要事項を入力(※図2)
    C. "保存" または "届出" を行なう(※図3,図4)
     (定められた届出期間以前は,保存しかできない。保存した場合は,後で届出を行なう)
    D. 動検内部で決済処理後,これまでと同様に文書にて届出受理書の送付が行なわれる
     (検査申請を通関業者等に依頼する際に,システムに登録された届出番号とパスワードを
      知らせると届出の情報を利用して申請を行なうことができる。2回目以降は,以前の
      入力情報を再利用して新たな届出を行なうことが可能。(※図5は一覧照会画面)
  3. 届出内容を変更する
    ・到着日等の変更
      a. システムへログインし,メニュー画面を開く
      b.「動物輸入事前届出情報紹介」を開き,変更したい届出を選択
      c.「動物輸入事前届出事項登録」を開き,変更事項を入力し,再度届出を行なう
    ・仕向先(または仕向頭数)のみの変更
      ・仕向先が1カ所であり,画面に入力を行なっている場合は上記と同様に変更
      ・仕向先が複数あり,添付ファイル等で届出を行なっている場合は,新しいファイルを
       作成し,そのファイルをメール,または打ち出した文書をFAXし,変更を行なう


JLTA 事務局から
農林水産省動物検疫所は、動物検疫所WEBサイト にて各種情報を公開しています。
(※図1)

(※図2)

(※図3)

(※図4)

(※図5)