2018/ 4/24 更新

平成29年度 家畜輸出入に関するセミナー

平成30年3月15日、「平成29年度 家畜輸出入に関するセミナー」 を開催しました。


開催にあたって
 2020年に向け、インバウンド、輸出促進の気運が継続しております。他方、生体牛の国内価格の関係から、畜産農家の皆様には海外からの導入と私達協議会メンバーへの期待が依然として続いております。
 家畜の輸入に際しましては、家畜の資質、現地価格、輸出国での検疫、輸送、日本での輸入検疫等に要するコストも含めて総合的に検討されて実行に移されますことから、協議会一同、畜産物需給、消費動向、海外情勢や為替動向、更には国内生産者の要望をこれまでどおり把握しつつ、輸入家畜の国内供給を通して、我が国の畜産振興に寄与して参りたいと考えております。
 畜産物の安定供給の阻害要因のひとつに、家畜の伝染性疾病があります。
 現在、攻めの農林水産業、畜産物の輸出促進のため、農林水産省では相手国との動物検疫協議の成果も見えております。攻守立場が入れ代っての相手国条件というハードルへの対応が肝要と聞き及んでおります。
 このような状況下ですので、家畜の伝染病の発生は、畜産物の輸出を阻害することとなりますが、幸いなことに、関係者の皆様の不断の努力により、危機的な家畜の伝染病の発生はありません。
 しかしながら、近隣諸国を含む多くの国で、高病原性鳥インフルエンザ、口蹄疫、アフリカ豚コレラなどが継続的又は断続的に発生しておりますことから、我が国への侵入リスクは極めて高く、動物検疫所による徹底した水際防疫対策が展開されています。
 当協議会では、毎年度、畜産や家畜の疾病関係等をテーマとして、セミナーを開催してきておりまして、今年は「アニマルウェルフェアに対応した家畜の飼養管理指針」と「牛トレサビリティ制度について」の演題をお二方の講師に講演いただくことにしております。
 この度のセミナーを、皆様の知見の向上と業務遂行に役立ていただけますよう願っております。
平成29年3月   一般社団法人 日本家畜輸出入協議会
理事長 野澤 毅一郎


花村 氏

「日本の畜産業におけるアニマルウェルフェアへの対応」
(農林水産省の取り組み)

農林水産省生産局畜産部 畜産振興課畜産技術室
大竹 匡巳 氏

■主な内容
・家畜のアニマルウェルフェア(Animal Welfare)とは
・なぜ必要か? 何が必要か?
・我が国におけるアニマルウェルフェアの状況
・アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針
・飼養管理指針のポイント(1)(乳用牛、肉用牛)
・飼養管理指針のポイント(2)(豚)
・飼養管理指針のポイント(3)(馬)
・畜産における農業生産工程管理 (Good Agricultural Practice)とは
・日本版畜産GAP(JGAP家畜・畜産物)の概要等
・JGAP家畜・畜産物の基準書の構造
・JGAP指導・普及の体制と仕組み
・GAP取得チャレンジシステムの概要
・農場HACCPとJGAP家畜・畜産物の認証や、取組みについて
・世界の各種GAPの例
・畜産GAP拡大推進加速化事業
・JGAP家畜・畜産物に関する参考ウェブサイト
■資料のダウンロード:「 日本の畜産業におけるアニマルウェルフェアへの対応」 [PDF 約1.7MB]

木下 氏

「輸入牛のトレーサビリティ制度について」
(輸入からと畜まで)

独立行政法人 家畜改良センター 個体識別部
高島 宏子 氏

■主な内容
(1)日本における牛トレーサビリティ制度の概要
・牛の両耳に個体識別番号を表示~牛の生産履歴情報管理
・個体識別耳標の規格
(2)家畜改良センターの役割
・牛の管理者等からの届出受理や各種情報提供等
(3)牛の個体識別台帳への記録
・FAXやインターネット回線、専用回線等
(4)輸入の届出
・牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法(抜粋)
・牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法施行規則(抜粋)
・輸入者がすべきこと
(5)個体識別番号の決定と耳標の装着
・牛トレーサビリティ制度実施の手引き(生産・と畜段階)からの抜粋
・輸入の届出に関わる耳標の流れ
(6)情報の有効活用
・牛肉の流通・消費、家畜改良、畜産経営、畜産施策、原発事故対応
■資料のダウンロード:「 輸入牛のトレーサビリティ制度について 」 [PDF 約1.2MB]